故事・story
経営者・林方一により1932年日本統治時代、通称「銀座通り」と呼ばれていた台南一の目抜き通りであった末広通りに南台湾初の百貨店としてオープン。
台北市栄町の菊元百貨店と並び、南北二大百貨ビルとして注目を集めた。当時は林百貨店又は林デパートとも表記されていた。設計者は石川県出身の建築家、梅澤捨次郎。
当時、唯一近代的エレベーターを備えていた建物は、鉄筋コンクリート造の6階建てで、1-4階は売場、5階にレストラン、屋上階6階に機械室と展望台、屋上庭園、そして神社があった。神社は「末広社」と呼ばれ、産業の守り神として信仰の対象となっていた。
戦争中、連合国軍による大規模な空爆で損傷し、敗戦によりハヤシ百貨店は廃業された。
戦後建物は改修され、台湾製塩総工場、中華民国空軍、警官の派出所などに使われたが、1980年代より空きビルとなっていた。
台南市により1998年市定古跡に認定され、2010年より修復作業が行われ、2013年に完成。修復に際しては、創業当時の姿が再現された。屋上にあった邸内神社も「林百貨頂楼神社遺跡」として残されている。
現在・now
2013年、台南市のファッションビルFOCUSを運営する高青開発股份有限公司が委託経営権を取得し、文化クリエイティブ販売施設として新たに開業されました。
1階は台湾各地のご当地グルメが集まるフロア。台南の地元名物や、台湾各地の厳選された名産品が並べられていてます。中には林百貨でしか手に入らない限定パッケージのものあります。
2階は台湾のデザイナーズブランドグッズ、文創商品(クリエイティブグッズ)フロア。
3階は洋服、ファブリック、アクセサリー、台湾コスメなど流行ファッショングッズのフロア、台南発ブランドのショップが多く出店しています。また林百貨と各ブランドのコラボ商品や林百貨オリジナルグッズもあります。
4階 カフェ、CDショップ、書店、美術骨董品、展示スペースのフロア。
5階はレストランフロアです。
6階 屋上
台南の街が眺められます。
今も残る神社、末広社。
6階にはオリジナルグッズショップ「HAYASHI Shop」もあります。
我的特別・my special
夜はライトアップされています。
帰りに寄った花園夜市(海安路三段と和緯路三段の交差点)。木、土、日曜日に開催されます。
美味しそうな屋台ばかりで、多くの人でにぎわっていました。
結尾・ending
日本人によって建てられた1930年代の古い百貨店を、取り壊すことなく、しかもその当時の姿を生かしてリノベーションされているは嬉しいことです。
しかも屋上の神社も残してくれている台湾の人たちの気持ちは、ありがたいものだと思います。
レトロで懐かしい感覚と、新たなお洒落感が同居するスポットになっています。
訪問・access
住所:台南市忠義路二段63号
台鉄「台南」駅より市営バス1番、7番で「林百貨(中正路)」下車
紅幹線バス安平工業区行きで「林百貨」下車
藍幹線バス安平工業区行きで「忠義路(忠義国小)」下車
徒歩:台鉄「台南」駅より中山路を直進、湯德章紀念公園ロータリーを右折、中正路沿いを歩くと左手にあります。
TEL:(06)221-3000
営業時間:11:00~22:00 年中無休
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