故事・story
「青田七六」は元は台北帝国大学の足立仁教授が住んでいた住居で、台北の人気グルメエリア永康街からほど近い青田街にあり、店名は住所の青田街七巷六号から命名されたもの。
現在の大安区の青田街、永康街、温州街エリアは、台北帝国大学(現・国立台湾大学)の開校にともない、日本から渡ってきた教職員のために多くの宿舎が建てられ、当時は「昭和町」と呼ばれていた。
足立教授は1945年、日本の敗戦による引き揚げで帰国。その後、家主は同じく国立台湾大学で地質学を研究していた外省人の馬廷英教授になった。馬教授は日本の東北帝国大学出身、最後にめとった配偶者は日本人である。
馬教授夫妻が亡くなり空き家になって以降は、国立大学の資産のため政府が管理していた。
その後、こうした日本時代の家屋を有効活用しようということになり、民間と協力して古民家カフェレストラン「青田七六」となった。
現在・now
2006年に台北市定古跡「国立台湾大学日本式宿舎・馬廷英教授邸宅」として保護されることになり、文化財を有効活用するために、2011年6月に古民家カフェレストラン「青田七六」が誕生しました。
この建物と特徴は「和洋折衷建築」で、建物の外観は、屋根は瓦が載った日本式でありながら、その下は、出窓、張り出した玄関ポーチ、百葉窓などがあり西洋風、そしてまた、部屋の内装は和風となっています。1930年前後の日本統治時代、日本家屋に西洋のテイストを取り入れるのが流行したそうです。
玄関を入ると、そこには大正~昭和初期を舞台にした映画やドラマで見るような、懐かしい和の世界が広がっています。邸内は床板保護のため、靴下の着用が義務づけられていて、なければその場で購入もできます。
邸内には、応接間、食堂、書斎、子供部屋、その他に和室が2室があり、それぞれ雰囲気の異なった部屋で、ランチ・アフタヌーンティー・ディナーと時間を分けて、和食が中心の食事やお茶を楽しめます。
いただいた料理やデザート、飲み物の写真を紛失したので、次回また訪れたときに、しっかり記録してこようと思います。
我的特別・my special
一番印象に残ったのがこの「女中部屋」の掛札。
これを目にした時に一番、大正から昭和初期の日本の上流階級、裕福な家庭の邸宅におじゃました感がしました。
結尾・ending
季節によってメニューも変わるとのことで、何度でも足を運んで楽しめるお店です。大勢よりも、二人から数人でのんびり過ごすのに向いていると思いました。もちろん、一人でも、ゆったり静かに過ごせます。
青田街は国立台湾師範大学と大安森林公園に挟まれたエリアで、閑静な高級住宅街として知られていてます。また「青田」の名前どおり、緑のあふれる街です。
また、近くには、小籠包の代表的なお店「鼎泰豊」の本店や茶芸館のある永康街、師大夜市などがある龍泉街があり、併せて楽しめると思います。
訪問・access
住所:台北市大安区青田街7巷6号
MRT東門駅5番出口を出て徒歩10~15分。
営業時間:11:30~14:00、14:30~17:00、17:30~21:00
定休日:毎月第一月曜日
TEL:(02)2391-6676
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