中山堂:旧台北公会堂、日本統治時代の隆盛と終焉を見た公共建築物

故事・story

1936年(昭和11年)に完成した、日本統治時代の代表的な公共施設建築物。

中山堂

 

昭和天皇の即位を記念して発案され、4年の歳月をかけ完成した。鉄筋コンクリート造りの4階建てで、大小のホールとレストラン、娯楽室、理髪室、貴賓室、厨房やエレベーターを完備した、市民のための集会所となった。
設計は台湾総督府の営繕課所属の井出薫。
当時、台北公会堂の規模は東京、大阪、名古屋の公会堂に次ぐ大きさで、最先端の建築技術が使われていた。中山堂のメインホールである「中正廳」は、2階分の高さを設け、約2000人を収容できる当時としてはかなり規模の大きな室内会場施設で、重要な式典、会議や文化活動の多くがここで行われた。

 

中山堂

 

1945年9月25日、敗戦による降伏調印式が2階にある「光復庁」で行われ、日本人最後の台湾総督「安藤利吉」が降伏文にサインし、日本の統治が終了した。

庭にある「抗日戰争勝利紀念碑

中山堂

日本撤退後は中華民国政府所有となり、「台北中山堂」と名前を変えて、国民大会の会場や迎賓館として使用されてきた。
現在も音楽会、舞台上演などを催す文化会館として利用されている。「中山」とは台湾で国父と呼ばれる「孫文」のこと。

現在・now

1992年に国家二級古蹟に認定され、歴史的価値の高さを認められました。
一歩足を踏み入れると、クラシカルで静かな空間が広がります。

中山堂

 

中山堂

 

2011年には3階、4階部分が大幅にリニューアルされ、お茶やお花、映画などの台湾文化を楽しめる文化施設に生まれ変わりました。

中山堂

3階にある「臺北書院

中山堂

 

華道、茶道、書道、音楽などを通して台湾文化を学ぶ茶芸サロンです。「禅」を意識した和室で、定期的に講座なども開かれています。

中山堂

中山堂

 

「臺北書院」以外にも、2階にカフェ「堡壘珈琲」、4階にカフェ「劇場珈琲~Le Promenoir」が入っていて、それぞれ趣きが全く異なります。

中山堂

中山堂

 

結尾・ending

クラシカルで重厚な建造物で、外観、内装、細部の意匠ともに見ごたえがあります。
その静かな空間の中で、ゆったりと落ち着いて、食事やカフェ、台湾茶を楽しむ時間が持てます。
日本統治時代の終焉の手続きが行われた歴史的な場所でもあり、台湾が好きな日本人であれば、ぜひ訪れてほしいスポットです。

 

訪問・access

住所:台北市中正區延平南路98號
MRT西門5番出口を出て徒歩1分
TEL:(02)2381-3137
営業時間:9:00~22:00 年中無休

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