松園別館:台湾における特攻隊の壮行の場にもなった旧日本軍施設

故事・story

日本統治時代に建てられた、日本軍の軍事施設。徴兵に関する事務をする「兵事部」が入居し、将校、士官の接待宿泊所でもあった。
松園別館」の名の由来でもある、建物の周りを囲むように植えられた松の木は、琉球松と呼ばれる品種で、軍事施設という事で目隠しの意味もあった。

 

松園別館

 

花蓮の海を臨む丘の上に建ち、当時は花蓮港や太平洋の船舶数、花蓮港北飛行場からの航空機の発着なども観察することができた。

二階のテラスからの眺め。

松園別館

 

現在・now

2001年「台湾歴史百景」の1つに選ばれ、2002年に「歴史的建築物」としての認定を受け、2006年から政府がリニューアルを施し、現在は文化イベントや展覧会、セミナー講座なども行われる、文化・商業施設として利用されています。

中央の建物「兵事部」(展覧スペース)、回廊式の二階建て洋館です。

松園別館

 

2階は展示スペースになって、「松園別館」の成り立ちや当時の様子、リニューアルされる経緯などをパネル、映像作品で紹介しています。

松園別館

 

日本軍の航空基地、花蓮港北飛行場からも特攻隊の出撃が行われ、特攻隊員が出征前に宿泊し、天皇からの「御前酒」を賜る場所としても利用されました。

松園別館

 

小木屋(松園故事館)。園内唯一の木造建築で、士官の集会所として使用され、神棚などが設置されていたそうです。ここで出征前の特攻隊員が御神酒を賜ったり、終戦時には切腹を計った軍人もいたそうです。

松園別館

 

施設敷地内には防空壕も残っていて、中に入ってみることもできます。

松園別館

 

中では特攻隊員の写真パネルが展示されていますが、写真は特に台湾関連ではなく、「特攻隊」を紹介するにあたり展示されたものだそうです。

松園別館

 

結尾・ending

洋風な建物ですが、日本建築のすばらしさを見ることができる施設、建物です。
また、戦時中における歴史を偲べる場所でもあり、台湾が好きな日本人であれば、ぜひ訪れてほしい文化施設です。
また2階からの景色が素晴らしくて、廊下のソファに座ると風が気持ちよく、遠く太平洋を眺めることができ、赤い灯台や行きかう船なども見ることができます。

1階には 松園餐坊(カフェ)や 松園概念工坊(ショップ)もあります。

将軍府と日式家屋群:日本軍の幹部クラスの宿舎が並ぶエリアだった旧陸軍兵事部将校宿舎
え で

 

訪問・access

住所:花蓮市松園街65號
花蓮市街中心部よりタクシーなどで約10分
電話番号:+886-38-356-510
休業日:第2火曜日 営業時間 9:00~18:00
入場料:50元

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