故事・story
日本統治時代の1907年(明治40年)前後に建てられたと言われている、当時の面影がそのまま残る、「北投温泉」で最も古い公衆浴場。当時は日本軍人の療養目的で作られた。
そして、1923年 (大正12年)の昭和天皇 (当時は皇太子)の北投温泉巡行にあわせて改築。その時の建築が今に至るまで残っていると言われている。
戦後、中華民国政府に接収され、競売にかけられて、林添漢が落札し、以降はその子孫が経営している。
現在・now
台湾は温泉地が100カ所以上もある温泉大国としても知られていて、世界有数の温泉国でもあります。
台北市内から電車で約30分のところにある温泉保養地「北投温泉」。北投温泉には泉質の異なるお湯、青磺 、白磺 、鉄磺 が湧き、「瀧乃湯」のお湯は青磺 で強酸性(PH値1.2~2.4)、高い効能で有名な秋田県の玉川温泉と同じです。細胞の活性化や免疫力の増強に効果があり、慢性皮膚病、痛風、筋肉痛に効能があると言われています。
北投温泉の源泉の「地熱谷」。硫黄の臭いの水蒸気が立ち昇る温泉池です。
「瀧の湯」は、2017年にさらに改装され、更衣室やトイレなどが新しくなり、お湯が出るシャワーもでき、清潔で使いやすくなりましたました。
ですが、入口や建物外観などは昔の姿を残し、浴槽の造りは昔のままです。男女とも2つ浴槽 があり 大きい浴槽は44度、小さい浴槽は42度前後のお湯です。
お湯は酸性度が高いので、貴金属類は反応を起こして変色してしまうため、ネックレス、ピアス、指輪などは外して入浴する必要があります。
客は年配の地元の方が中心のようですが若い人も多く、朝早くから夜まで入湯客が絶えないようです。
我的特別・my special
「瀧の湯」のすぐ近くにある「北投図書館」。台北市立図書館 の北投分館。2014年にCNNが選ぶ世界で最も美しい図書館ベスト27にランクインしたそうです。
豊かな緑に囲まれた地上3階建ての木造建築で、太陽光発電と雨水のリサイクルシステムのために傾斜した建物の屋根と、柔らかな自然光を取り込むための全面ガラス窓を備えています。
「北投温泉」の散策の途中に立ち寄り、台湾の雑誌を読んだり、テラスで緑を眺めたりして、一休みするのにお薦めです。
結尾・ending
日本でももうあまり残っていない、古い湯治場のような雰囲気の公共温泉施設が台湾に残っているのは嬉しいです。お湯の質も希少で素晴らしいものなのに、入湯料金は手頃で、日本の古い建物が好きな人はもちろん、温泉好きの人にもぜひ足を運んでほしいスポットです。
この日、宿泊した「北投熱海温泉大飯店」。
昔の日本の大きな温泉ホテルのような雰囲気です。全体に造りがゆったりとしていて部屋も広く、朝食のバイキングも美味しかったです。宿泊客だけでなく、立ち寄り利用もできる温泉があります。
部屋からの眺め。ここに泊まったおかげで、夜遅くと、早朝の「瀧の湯」を楽しめました。
訪問・access
住所:台北市北投区光明路244
MRT新北投駅を出て、北投公園の右側の光明路を進む。右手に加賀屋ホテルを過ぎて200mほど先の右手にあります。
営業時間:6:30~21:00(最終入場20:00) 休業日:水曜日
入湯料:100元
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